可視光応答型光触媒、知って驚くその効果と可能性!

日光

期待の光触媒

私がはじめて光触媒という言葉を聞いたのは、ざっくりいうと10年位前でしょうか。
けっこう、その当時から光触媒は、最新の大変期待されている技術でした。

光触媒は太陽光のエネルギーにより、有機物や菌を分解する効果のあるものです。当時すでに私はコーティングの会社を経営しておりましたので、自社の施工メニューとして取り入れられないかと、とても興奮したのを覚えております。

紫外線が光触媒には不可欠だった

しかし残念ながら、当時の光触媒では紫外線が不可欠だったのです。当社は室内のフローリングや水周りなどの汚れ防止コーティングをメインに請け負う会社ですので、紫外線が不可欠となると室内での使用では効果がでないことになります。

その後、光触媒は建物の外壁やスポーツ施設(屋内テニスコートなど)のテント屋根などに、利用されはじめました。光触媒による自浄作用で汚れがつきにくいという利点が活用され実用化が進みました。

室内への利用は・・・

ところが室内においては蛍光灯やLED照明では、ほとんど紫外線は含まれないため光触媒には活躍の場がなかったのです。とはいえ、室内の微弱な光エネルギーでも作用する、という触れ込みの商品は少なからずありました。私も室内で利用できる光触媒製品には人一倍関心をよせていましたので、実際にメーカーへ話を聞きに訪問したこともあります。
結果は失望の一言でした、到底納得のできる商品ではなかったです。逆恨みされるのも怖いので詳しくは触れませんが、まやかし的な光触媒、あるいは類似した商品というのは今でもありますので気をつけたいところです。

可視光応答型の光触媒が誕生

このような状況が変化したのは、つい最近です。以下はNEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)のホームページからの引用ですが、新しい可視光応答型光触媒が開発されたのです。

光触媒はこれまで、そのほとんどが屋外で使われてきました。というのも、光触媒が機能を発揮するには、太陽光に含まれている高エネルギーの”紫外光”が必要だったからです。

そこで、2007年~2012年にNEDOが実施した「循環社会構築型光触媒産業創成プロジェクト」では、光触媒の新たな利用方法や応用範囲の拡大を求めて、蛍光灯などの室内光でも機能を発揮する”新しい可視光応答型光触媒”の研究開発が行われました。

その結果、紫外光よりもエネルギーが低い可視光でも、細菌やウイルスの99.99%をわずか1時間で不活化できる新しい「光触媒」が誕生しました。この可視光でも機能を発揮する光触媒を応用した商品(塗料等)が実用化されつつあり、衛生的で快適な空間を実現するための関連製品が発売され始めています。

(出典元 NEDO)

当社のSUNバリアコートも可視光応答型の光触媒ですが、これによりようやく室内の消臭に加え除菌するコーティングが可能になりました。可視光というのは文字とおり見える光のことです。領域でいうと380nmから800nmまでの波長領域です。(紫外線は380nm以下の領域になります。)

今後ますます夢膨らむ光触媒

光触媒は、たぶんあまり知らない人からすると、どこか捉えどころのないものかもしれません。例えば、同じ除菌効果のあるアルコール、次亜塩素、オゾンなどと比較しても光触媒はまったく臭いませんし、光の力でといっても実感できにくいかもしれません。

しかしながら間違いなく今後、光触媒は家庭内の様々な建材や備品、衣類、家具などへ利用されることでしょう。その理由は2つあります。1つはその除菌や消臭の効果です。2つめは安全性です、光触媒はまったくの無害です。

私自信も光触媒に関わる者として、今後の光触媒のさらなる実用化には大変期待しております。光触媒は日本生まれの素晴らしい環境浄化技術です、皆様も是非、体感いただきたいと思っております。

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